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地球を狙う悪の手から地球を守る為に地球の各地に正義超人達が駐屯していた。 その中にキン肉マンⅡ世ことキン肉万太郎と言う超人がいる。そして今日も彼はお目付け役の アレキサンドリア=ミートに連れられてトレーニングに励んでいたのだけど… 「ハァ…ハァ…疲れたぁぁ~…! 休ませてよぉ~!」 「Ⅱ世! まだトレーニングメニューは全て消化していませんよ!」 トレーニングの途中でバテて倒れてしまった万太郎をミートが叱る。 「そんな事言ったって疲れたんだもん! 今日一日くらいサボっても良いじゃん…。」 「ダメですよ! それでまたサボり癖が付いて以前の入れ替え戦みたいな事になって良いんですか!?」 このキン肉万太郎と言う男。外見こそムキムキの筋肉で覆われているが…精神が伴っておらず かなりの根性無し。だからこそ少し疲れただけでこの様に音を上げてしまうのである。 だが…このくらいならもはやミートとしても何時もの事だったし、この後ミートが 機転を利かせて万太郎に無理矢理トレーニングメニューを全消化させたりするのだが… この日は何時もと違っていた。 「わー! 空がゴロゴロ言ってるよ! 雷が落ちてくるよ! 雷怖いよ! 練習中止しよ!」 「ダメですよⅡ世! 雷くらいで何ですか! 雷なんてボルトマン戦で経験済みでしょう!?」 「だって怖い物は怖いんだもん!」 空が雷雲で覆われ、雷鳴が響きだした時にその様に万太郎は怖がっていたが、 それでもミートはトレーニングを止めさせようとしなかった。 そしてその時…二人のいた場所にかなり大きな雷が落ちた。 さらにその落雷によって空間に穴が開き、二人は忽ち消滅してしまっていた…「この世界」から…。 「大変だー! 時空漂流者を二名発見したぞー!」 「何だと!? 急いで収容しろ!」 様々な次元世界を管理するミッドチルダ時空管理局に所属する時空航行艦の一艦が 時空間を巡航中に二名の時空漂流者を発見し、救出した。その二名の時空漂流者は 気を失っていたものの、生命は無事であった為に医務室のベッドに寝かされ、 二名を乗せた時空航行艦は管理局へ帰還した。だが、この二名に何か嫌な予感を感じた 管理局上層部はこの手の何かヤバそうなのの相手は連中にやらすべきだろ? と考え、 機動六課へ押し付けて来たのであった。 「と…言う事で…本日時空間で救助した時空漂流者を元の世界に帰す目処が立つまで ウチで面倒見る事になったんや。」 「そ…そうなの…?」 「そうや…。」 機動六課隊長である八神はやてからの辞令を聞いた後、機動六課のメンバー達は 苦笑いをしていた。無論辞令を下したはやても含めて…。 「でも何故機動六課が時空漂流者二名の面倒を見なければならないのですか?」 「その二人って何かヤバい人だったりするんですか?」 機動六課のメンバーの一人であるスバル=ナカジマとティアナ=ランスターはそれぞれそう言う。 「いや…その類の報告は受けてへん。やたらに体格の良い豚面の男と眼鏡をかけた小さい子供の二人や。」 「…。」 何だその組み合わせは…と皆は突っ込みたかったが…そこを突っ込みたいのは きっとはやて自身なんだろうなと悟った皆はあえて言わなかった。 「ま…とにかく…上からの命令やから仕方あらへん。しっかり面倒見いへんとね。」 「りょ…了解…。」 高町なのは一等空尉を初めとする機動六課のメンバー達達はすぐにその二人が 寝かされていると言う医務室に行く事になるのだが… 「美人のお姉さん…この僕と…カルビ丼でも一杯どうですか?」 「あの…困ります…。」 「何…この人…………。」 医務室ではその場にいたシャマルを口説こうとしている万太郎の姿があった。 そう、管理局が回収した時空漂流者とは万太郎とミートの事なのである。 そして女たらしな万太郎がシャマルを口説かないはずが無く、その光景は なのは達にとって相当異様な光景に映ったに違いない。 「うわぁ! 美人のお姉さんがいっぱいいる! ここは天国か!? 天国なのかぁ!?」 「え!? 美人って…。」 なのは達の存在に気付いた万太郎はさらに狂喜乱舞し始めてしまった。 なのは達は自覚していないが、機動六課の女性陣はかなりの美人揃い。 元々前述の通り女たらしな上に美人に弱い万太郎が狂喜乱舞しないはずが無い。 故に早速歯を輝かせながら万太郎がなのは達に迫ろうとしていたのだが、 そこでミートに天竜チョップされてしまった。 「Ⅱ世!! そんな事より先に聞く事があるでしょう!?」 「うわぁぁ!! 天竜チョップはやめい!!」 「こ…この人達の世話を…しなきゃならないの?」 「み…みたい…。」 なおも万太郎の首下に天竜チョップしまくっているミートの光景を 呆れた目で見ながらなのは達は呆然としていた。 なのはは万太郎とミートに対する状況説明をスバルとティアナに頼んで(押し付けたとも言う) はやてのいる場所に戻った。するとそこにはフェイト=T=テスタロッサ執務官の姿もあった。 「なのは…何かかなりアレな人の面倒見なきゃいけなくなったみたいだね…。」 「そ…そう…。実際見てくればわかるけどかなりアレだよ…。」 なのはは苦笑いするしか無かったが、そこではやてが何枚かの紙を取り出していた。 「とりあえず本局の方からあの二人の身元について送られて来たから説明しとくね。 あの二人は私達同様に第97管理外世界の出身みたいや。」 「え!? そうなの!?」 はやてはやや呆れながらも首を縦に振る。 「一口に第97管理外世界の出身言うても地球出身や無いみたいや。地球から500億光年 離れた第キン肉星雲第五番惑星キン肉星から地球に来て暮らしてたんやと。」 「え!? って事は宇宙人!?」 「ま…厳密にはそうなるけど…ただの宇宙人やあらへんみたいや。この報告書によると… 超人って言われる特殊な種族の一種みたいやな。何か私らがミッドチルダにいる間に 地球の方でも色々あったらしくてな、それで地球を守る為に沢山の超人が 地球に来てるらしいんやけど、あの二人も元々それで地球に来てたらしいんや。」 「そ…そんな事が…。」 「知らなかった。」 まるで特撮ヒーローものみたいな非現実的な事実になのはとフェイトも唖然としていたが、 自分達もまるで魔法少女ものみたいな事やってるのでそこまでバカに出来なかった。 「まずあのやたら体格の良い豚面の男の名前はキン肉万太郎言うてな、キン肉星の キン肉族って言う全宇宙の超人の中でも特に名門的民族の王子様なんやて。」 「ええ!? あれが王子様!? 信じられない!?」 「なのはがそこまで驚くなんて…よっぽどアレな人なんだな…。」 なのはの驚き様にフェイトも唖然としていたが、はやての報告は続く。 「確かに性格面がアレなのはこの報告書にも書いてあるけど…あれでも結構実績は あるみたいや。地球を壊滅させようとしてたデーモンメイキングプラントとの戦いで 活躍したみたいやし、全宇宙の超人が集結して超人宇宙一を競うって言う 超人オリンピック・ザ・レザレクションでは準優勝。 他にも色んな戦いで地球の平和に貢献してたらしいんよ。」 「え…そんなに凄い人なの? 本当に信じられないんだけど…。」 「信じられへんのはウチも一緒や…。」 「あの…本当にそんなアレな人なの?」 お互いに呆れた顔をするなのはとはやてにフェイトは唖然としていた。 「でな、そのキン肉万太郎と一緒にいた小さい眼鏡かけた子供はアレキサンドリア=ミート言うて、 キン肉星のシュラスコ族って民族の出身。万太郎のお目付け役をしててな、あの歳で超人界随一の 頭脳を持つと言われてるらしいんや。何しろその頭脳を敵に狙われた事もあるくらい…。」 「へ~…あの子って何かチョップばっかりしてたけど結構しっかりしてるんだ~…。 案外ユーノ君と気が合ったりして…。」 なのはの表情も万太郎に関しての報告の時に比べて温和となっており、 それにはフェイトもやや安心していた。 「でもその二人がどうして時空漂流なんてしてたのかな?」 「何かたまにあるらしいんよ。自然現象的に時空の穴が開いてしまう事が。 それに運悪く吸い込まれてしまったらしいんよね。普通の人間なら生身で 時空間に放り込まれてしまった時点で死んでしまうんやけど…超人って種族は 生身で宇宙空間にいても平気なのが当たり前らしいから気絶くらいで助かったみたいや。」 「ふ~ん…でもとりあえず出身が97管理外世界って分かってるんなら さっさと送り返しちゃえば良いんじゃないかな?」 フェイトは言うが、はやては困った顔で首を左右に振った。 「残念やけど上の方でそれが出来へん問題があるらしくてな、元の世界に帰せる目処が 立つまで当分ウチで預からなならなくなったんや。」 「あ…やっぱりそうなの…。先が思いやられるな~。」 現実の厳しさになのはも呆れるしか無かった。 一方その頃、万太郎とミートの方はスバル&ティアナから状況の説明を受けていた。 が…元々そこまで頭が良くない万太郎は説明の意味が理解出来ず、スバルとティアナの 二人にちょっかいばかりかけていたりする。 「そんなワケの分からない事言ってないでお嬢さん…僕とカルビ丼一杯どうだい?」 「黙れこの豚男!」 「ギャヒィ!」 万太郎はスバルに殴り飛ばされた挙句、壁に叩き付けられてのびてしまっていたが、 ミートは真面目に状況説明を聞き、理解出来ていた様子であった。 「つまり僕達は何らかの原因で発生した時空の穴に吸い込まれてしまい、 その後で貴女達の所属する時空管理局と言う多次元組織に救助されたと言う事ですね? でもまさかその様な物があったとは驚きです。時間超人が普通に見えてしまいますね…。」 「貴方はあっちの豚男と違って賢いみたいで助かりました。 それなのにあの豚男の方は何とかなりませんか…?」 「Ⅱ世に関しては僕の方からキツク言っておきますから…その辺にしといてください…。」 やはり部屋の隅で倒れてのびている万太郎の姿に皆呆れるしかなかった。 [目次へ ◆e4ZoADcJ/6氏][次へ リリカル万太郎2話]
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01 23~ 先生!⑨はおやつに入りますか? please stand up! over the standard Dont worry 合法ロリ warning!! ⑨チルノは美味しそうだけど 神奈子の粥で我慢しとこう 太らせて食べるのだぁ↑ 食物連鎖の頂点目指して 今日も修行だ 石段ぴょこぴょこ蛙飛びだ~ (ケロケロするな!) [ hook ] 蛙がケロケロ 雨にも負けず 寒いと冬眠 ミシャクジさまdestiny 蛙がぴょこぴょこ 風にも負けず 尻尾はにょろにょろ オタマジャクシdestiny [ verse1 ] 「二拝二拍手一拝」拍手打って拝むニーハイ 坤を創造またコントロール カエルの本能「ど根性!」 あーうー!⑨バッキューン横綱と同じ神? 一緒にするな!オンバシラ 神通力 listen me! 一寸もないおたまじゃくしにも五分の魂 守る使命ある土着神 頂点食物連鎖やばさは新型インフルエンザ 韻踏む前座きっと無限大に広がる東方session [ hook ] 蛙がケロケロ 雨にも負けず 寒いと冬眠 ミシャクジさまdestiny 蛙がぴょこぴょこ 風にも負けず 尻尾はにょろにょろ オタマジャクシdestiny 帽子の中に 誰 も い ま せ ん よ ? [ hook ] 蛙がケロケロ 雨にも負けず 寒いと冬眠 ミシャクジさまdestiny 蛙がぴょこぴょこ 風にも負けず 尻尾はにょろにょろ オタマジャクシdestiny オタマジャクシdestiny (あぅあぅ…ハイハイ!)
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THE ARROW OF DESTINY 収録作品:スーパーロボット大戦α [PS/DC] 作曲者:花岡拓也 概要 「それも私だ」 本作オリジナル敵勢力であるゼ・バルマリィ帝国(エアロゲイター)の幹部クラスの戦闘テーマ。曲名は「運命の矢」という意味。 ストーリー終盤で戦うユーゼス(アンティノラ・黒ジュデッカ)やラオデキヤ(ズフィルード)との戦闘アニメで流れる。 特に黒ジュデッカとズフィルードは最終マップのボスとして登場するため、本作のラストバトルを飾る曲にもなっている。 疾走感があると同時にティンパニを強調した威圧感も持ち合わせた楽曲で、強敵と対峙するに相応しいスリリングな楽曲。 同じエアロゲイター繋がりかレビの「MARIONETTE MESSIAH」やイングラムの「虚空からの使者」とは1部フレーズが共通している。 また『第3次α』に登場するエアロゲイターの幹部エツィーラの「魔女は妖艶に踊る」でもこの曲のフレーズが組み込まれている。 OGシリーズでもアレンジされて登場し、『OG1』ではセプタギンのテーマ、『OGs』ではエアロゲイター幹部のテーマとして使用された。 『第2次OG』ではユーゼスのテーマとして直接的なアレンジ「ULTRA ONE」が登場。オーケストラアレンジされてより神々しさが増した。 原曲は『α』のほかに『α外伝』でも使われたが、『α外伝』ではエアロゲイターは登場せず版権キャラのボス戦闘曲として使用された。 ギンガナム(ターンX)やバット将軍(真・ゲッター)、恐竜帝国メカのグダ、メカギルギルガンとの戦闘アニメで流れる。 中でも真・ゲッターに乗るバット将軍のインパクトは絶大で、 「どうだ!? ゲッターロボを敵に回した気分は!!」 のセリフと共にプレイヤーを戦慄させた。 その印象の強さから『α外伝』をプレイした一部の人からは「この曲はエアロゲイターというよりバット将軍のテーマ」とまで言われるほど。 ちなみに『α』で同じく初参戦となった「超時空要塞マクロス」に「運命の矢」という曲が存在するが、当然ながら別物である。 過去のランキング順位 第7回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 796位 みんなで決める初代プレイステーションBGMベスト100 160位 サウンドトラック スーパーロボット大戦α オリジナルサウンドトラック アレンジ
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リリカルZOIDS第1話 注意 クロス元はアニメ版ZOIDS(無印)です 新暦67年(なのはが大怪我をする)スタートです 捏造設定があります 新暦67年。 その日、高町なのはとヴィータは、とある遺跡に捜査任務に来ていた。 その遺跡はすでに調査が済んでおり、危険なトラップや貴重な出土品なども特になかったのだが・・・。 「うぅ~、寒ぃ寒ぃ。ったく、なんだってこんな遺跡に潜らなくちゃいけねーんだか・・・」 「にゃははは。でも仕方ないよ、ヴィータちゃん。いきなりあんな大きな魔力反応が発生したんだし」 「分かってるよ、そんくらい。あぁ~、さっさと捜索終わらせて早く帰りてーな」 「そうだね~」 そう言いながら二人は遺跡の深部へと進んで行く。 「で、何か見つかったのか?」 「ううん。今の所、WASでは何も見つからないね」 「そうか。おっと、10分経ったな」 そう言うと、ヴィータは空間ディスプレイを開き、通信を開始した。 「こちら、ヴィータ。各班、状況を報告せよ」 「A班、異常なし」 「B班、異常なし」 「C班、こちらも異常ありません」 「D班、異常なしです」 どうやら、なんの問題もないらしい。 その報告を聞いて、なのはは胸を撫でおろした。 (このまま、何も起こらなければいいんだけど・・・) なのはは、自身の不調を自覚していた。 最近、眠っても疲労があまり回復せず、疲れを残したまま任務に就くことが多くなってきているのだ。 もちろん、そのことを友人達には気づかれない様にしているが、それもそろそろ限界だろう。 (今日の任務が終わったら、シャマルさんに診てもらおうかな) そう考えていた時の事だった。 「こちら、B班!!小型の飛竜と遭遇!!」 切迫した声に、なのはの意識は現実に引き戻された。 「・・・っ、こちら高町です。B班、現在位置は!?」 「ポイントX-150、Y-1000!」 「・・・っ、そんな所に」 「くそ!遠すぎっぞ!」 なのはの隣でヴィータが悪態をつく。 隊員のいる地点までは、どれだけ急いでも10分はかかるからだ。 しかし・・・ 「こちらB班。高町隊長、ヴィータ副隊長、飛竜は何もしてきません。こちらを窺っているだけです」 「「え!?」」 その報告になのはとヴィータは顔を見合わせた。 お互いに怪訝な表情が広がっているが、それも無理からぬことだろう。 なぜなら、彼女たちの所属する武装隊のテキストによれば、飛竜とは竜種の中でも1、2位を争う程、凶暴な竜のはずなのだ。 「おかしーな。飛竜ってのは、凶暴性が売りのはずなんだけどな・・・」 「そうだよね。そもそも、こんな遺跡に飛竜がいる時点でおかしいし」 二人はそう言いながらも、その飛竜への対応を考え始める。 「とりあえず、現状維持で待機かな?飛竜さんが何もしてこないなら、無理に戦ったり、捕獲しようとするのも良くないと思う」 「そうだな。下手に怒らせたら、大変なことになっちまいそうだしな。つーわけだ。とりあえず、B班は・・・」 と、決定した内容をヴィータが伝えようとしたその時、WASにある人影が写った。 「・・・っ!待ってヴィータちゃん!WASに反応!誰かがB班の所に向かってる!」 「!!なのは、そいつの特徴は!?」 「待っててね・・・。長い黒髪を後ろで束ねてて、顔に刺青みたいなのをしてる。私と同い年くらいの男の子だよ」 なのはは、冷静になりながらWASから得た情報をヴィータに伝えていく。 ところが、その人物が懐から取り出した物を捉えた瞬間、なのはの顔から血の気が引いた。 「ヴィータちゃん!この子、拳銃――質量兵器を持ってる!」 「っんだと!!」 さらになのはには、WASに向かって拳銃を構え発砲している映像が飛びこんできた。 そしてそれを境にその人物を映していた映像は途切れてしまった。 その事実をヴィータに伝えるべく、なのはは顔をあげた。 「最悪だよヴィータちゃん。この男の子、WASを破壊してB班の所に向かってる」 「・・・つまり、敵ってことか?」 「そこまでは分かんないよ。でも、もしかしたらあの飛竜さんは・・・」 「そいつの使い魔かもしれねぇって事か」 「うん」 「だとしたら、飛竜の実力も分からない分、B班の奴らだけじゃ危ないな。いったん出口まで下がらせるか?」 「そうした方がいいと思う。その人の現在位置は、ポイントX0Y0で私たちはX0Y1000だよ。この速さだと、私たちより3、4分は早く着いちゃう。それに今回の魔力反応の原因もこの人かもしれない!」 「よし、B班聞いていたな!そこは危ない、出口まで引き返せ!」 「了解しました!」 「ヴィータちゃん、私たちも急ごう!」 「ああ!」 そう言いながら、ヴィータが通信を切ろうとした時だった。 「っ!!こちらB班!飛竜が通路を塞ぐように、移動し・・・、いえ襲ってきました!くそ!B班交戦開始(エンゲージ)!」 その叫び声と共に通信画面が途切れてしまった。 「おい!どうした、B班!応答しろ!」 しかし、返事はなく、その事実がなのはとヴィータに嫌な想像を抱かせる。 その想像を振り払うようになのはは、大声をあげた。 「急ごう、ヴィータちゃん!レイジングハート!!」 「分かってるよ!アイゼン!!」 二人は、デバイスを起動させると最大スピードで、B班の元へと向かった。 Another View とりあえず、今の状態を一言で表すなら最悪の一言につきる。 薬草をとりに相棒のオーガノイドと山に入ったまではよかった。 しかし、薬草を採取しているといきなり光に包まれ、気がつけば、どことも知れぬ遺跡の中。 おまけに体は子供時代――おそらく14歳くらいの時だろう――にまで退化している始末。 (誰だって、こんな状況におかれたら最悪だと思うだろうさ。) 独り呟きながら、通路を進んでいく。 先ほど撃ち落した赤く光る球体の事も気にかかるが、今は相棒が足止めしているであろう人物達と接触する事の方が先決だ。 そう思いながら、手元の拳銃を確認する。 先ほど、自分を尾行していた赤い球体に一発撃ったので残弾は23発だ。 その他に自分の持っている武器と呼べるものは、スローイングダガー4本しかない。 (なんとかするしかない・・・か。) そう呟きながら、彼は相棒の待つ遺跡の一室に到着し、その光景を見た。 Another View End なのはとヴィータは、急いでいた。 通信が途切れてから、もう5分が経っている。 二人とも、何が起こっているかなど想像したくもなかった。 「A班は現状維持で待機して下さい。C班はB班の救援へ!D班はA班と合流し、同じく待機!!」 「A班了解!」 「C班了解!B班との合流まで15分!」 「D班了解!A班まで10分です!」 「おい!応答しろB班、聞こえねえのかよ!」 なのはは冷静になるよう努めながら、各班へ指示を出す。 その傍らでヴィータは、なんとかB班と連絡を取ろうとしていた。 しかし、相変わらず返事が返って来ることはなく、その事実が二人を更に焦らせていく。 「くそ!なのは、まだかよ!」 「もうすぐだよ・・・っ。そこを右に!!後は、B班の所まで一本道だから!」 「分かった!」 そう言いながらも、二人は周囲を注意することも忘れない。 もしかしたら、あの黒髪の少年が使い魔の竜と合流し、通路のどこかで自分達を待ち伏せているかもしれないからだ。 自分たちの存在に気づかれている様子はないから、その可能性は低いだろう。 だが、可能性は低くとも、それは決して無視できない事態の一つだ。 飛竜1匹に、訓練された武装隊全員が敗れているかもしれないことを考えれば、当然といえるだろう。 それに相手は、一人ではない。 少年とはいえ、質量兵器を持っているのだ。油断はできない。 だが、そのような事態に陥ることはなく、なのはとヴィータはB班のいた地点まで、あと300mの地点という所まで来ていた。 「急ごうぜ、なのは。後少しだ!!」 ヴィータはそう言いながら、グラーフアイゼンを両手で握り直す。 「うん!皆を助けなくっちゃ!!」 なのはも大声を張り上げる。 その音量の大きさに思わずヴィータは、顔をしかめた。 「なのは、声でかすぎ・・・」 「はにゃ!ご、ごめんヴィータちゃん。私・・・」 「ったく!ほら行くぞ!!」 そう言うと、ヴィータは一気に突進していった。 「ま、待ってよ、ヴィータちゃん!」 遅れて、なのはも飛び出していく。 (・・・・?) そのことにヴィータはどこか違和感を感じながらも、その正体を考える余裕もなく、B班のいた地点にたどり着いた。 目の前には多くの隊員が倒れていた。 等間隔に、仰向けになって 「「・・・?」」 なのはとヴィータは怪訝そうに顔を見合わせる。 辺りを警戒しつつ近寄って確認してみるが、死んでいるのではなく、ただ気絶しているだけのようだった。 「どーなってんだ?」 「分かんないよ。報告にあった飛竜も、あの男の子もいない」 周りを確認すれば、砕かれた地面、陥没している壁面など戦闘の痕はあちこちに残っているが、戦闘を行った隊員達は誰かに介抱されたかの様に、横たえられている。 この不測の事態に二人は戸惑うしかない。 「どうしよっか?」 「とりあえず、C班の奴らが到着するまで待つしかねーな」 「だよねぇ、とりあえず連絡しないと・・・」 「それは困るな」 「「・・・!?」」 突然会話に割り込んできた声に、二人は驚きながらも声の主の方に向き直る。 そこには、WASに映っていた、拳銃を構えた少年と・・・ 「“黒い”・・・飛竜」 自分たちを警戒しているのか、獰猛な唸り声をあげる竜がいた。 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルなのはStrikerS――legend of EDF――"mission1『遭遇』" どこまでも暗く、先の見えない地下道。 ノーヴェはウェンディと共に洞窟の中を進んでいた。 道は一本道で迷うことはないが、内部は肌寒さすら感じる冷気が充満し、得体の知れない悪寒が背筋を走る。 「なんかここ気味悪いッスね。早く任務終わらせて帰りたいッスよ……」 後ろから聞こえた気だるそうな呟き。振りかえるとウェンディがライディングボードの上で胡座をかいていた。 「うっせーぞウェンディ。愚痴ってる暇があったら索敵と警戒に集中してろ」 「やってるッスよ。ノーマルセンサーにも赤外線センサーにも反応無し。今の所は危険な兆候はないッスよ」 「ふん、ならいいけど」 ノーヴェも視線を戻して周囲を警戒する。 危険はないと言われたものの、いつ得体の知れない化け物が、あるいは管理局の人間が現われるかわからないのだ。 アジトへの通信もなぜかこの洞窟では繋がらない。自然と拳に力が入り、いつも以上にイライラが溜まっていく。 「こんな任務はガジェットにやらせりゃいいのによ……」 「忘れたんスか? そのガジェットが全滅したから私らが派遣されたんッスよ」 「……そうだったな」 ノーヴェは苛立たしげに舌打ちした。 二人の任務はこの洞窟のある第九十管理外世界のちょっとした調査だった。 先日、小規模次元震が確認された『レリック』があるかもしれない程度の不毛の世界。 最初はガジェットを投入するだけで事足りると思っていたが、今朝方この世界に送り込んだガジェットI型が全機未帰還となったために急遽二人が派遣されることになったのだ。 ノーヴェは、きっと先に調査に来た管理局の奴等がやったのだろうと仮定し出撃したのだが、未だに誰とも遭遇していない。 今、ノーヴェ達は次元震が起きた場所のすぐ近くにいる。ガジェットはこの辺りまで来たらしいが、まだ一機も見つからない。 警戒しながら先へ進む二人に対し、異変は思わぬ形で現われた。 「……ん?」 ひやりと冷たい風が頬を撫でる。同時に鉄錆のような匂いが鼻をついた。 この匂いはなんだ? それにここは地下だぞ。だったらこの風は一体……。 風も匂いもこの先から流れてきているようだ。 「ノーヴェ。これってもしかして……」 「言うんじゃねぇ。さっさとついて来い」 ガンナックルを構え、ノーヴェは敵の気配を窺う。 錆の匂いは進むごとに強くなっていく。そして、二人は洞窟の最奥へと辿りついた。 目の前に開けたのはだだっぴろい空間だった。輸送ヘリなら三十機は収まりそうな球状の空間。 見上げてみると、そこには巨大な丸い物体が突き刺さっていた。形状から考えるに、何かのキャリアーのようだ。そして地上には……。 「なっ……なんなんッスかこれは……」 ウェンディが信じられぬ光景に息を呑んだ。 それはまさに地獄のような光景だった。 地面に散らばっているのは無数の肉片。おそらく、先に来た管理局の調査団であろう。 二十人以上の人間が、腕をもがれ、足を千切られ、体中を引き千切られて臓物を撒き散らし、皆が皆、苦悶の表情を浮かべて絶命している。 そして、ガジェットと思しきガラクタもそこいらに散乱し、白濁した煙を上げていた。 二人の鼻腔にようやく鉄の匂いが届き始める。 「ノ……ノーヴェ……あの……これ……」 「うるせぇ! アタシに聞くんじゃねぇ!」 ノーヴェは怒鳴って平静を保とうとしたが、体の震えは止まらない。 彼女も戦場に何回かは赴いたことはある。しかし、こんな虐殺とも呼べる光景を見るのはこれが初めての経験だ。 二人は恐怖で身が竦んだ。沈黙が続く。 しばらくして、意を決したのか、ノーヴェが白煙を上げるガジェットに近付いた。 ガジェットは原型を止めぬほどに溶かされ、触ってみると装甲がクリームのように流れていく。 初めは管理局とガジェットの相打ちかとも思ったが、管理局にガジェットをこんな風に溶かせる魔法があるとは聞いていない。 それにいくらガジェットでも人間をあれほど残虐に殺せるわけがない。 ノーヴェは振りかえると、未だに震えているウェンディに尋ねた。 「なあ、なにをどうすれば、ガジェットがこんなドロドロに溶けると思う?」 「わ、わかんないッスよ。どんなに強力な酸を掛けられても溶けることはないってドクター言ってたし……」 ウェンディが搾り出すように言った。ノーヴェは頷き、ガジェットに視線を戻す。 この洞窟には『何か』がある。今はなくても『何か』があった。しかも、とてつもなく危険な『何か』が。 それが何かはわからない。でも、これだけはわかる。ここはヤバイ。ここにいると危険だ。 一刻も早くここから出ないと。ノーヴェは立ちあがるとウェンディに合図を送った。 ……しかし、それは遅すぎる決断だった。 初めは、洞窟を風が吹きぬける音だと思った。 音がやみ、また、キィキィと鳴り、音はだんだん近づいてくる。 ノーヴェはそれが風の音ではないと確信した。 「ウェンディ、後ろを守れ」 「わかったッス」 二人は背中合わせになって周囲を警戒する。 音は、二人か通った道から聞こえてくる。ノーヴェが冷や汗を拭うことなく、ガンナックルを向ける。 そして、そいつは現われた。 それは、巨大な黒蟻だった。 全身を覆う真っ黒な毛。大型バスのように巨大な体格。無機質な複眼がじっと二人を見詰め、 まるで『いい獲物を見つけた』と笑ったかのように、顎をがちがちと開閉する。 蟻は二人に真っ直ぐ迫ってくる。 「うちのガジェット壊したのはてめぇか!?」 ノーヴェが声を荒げて蟻に問う。 すると、蟻は立ち止まり、それに応えるかのようにノーヴェに腹の先を向けた。 そして、向けられた腹の先から赤い液体が勢い良く噴き出した。 「っ! ウェンディ避けろ!」 二人は同時に飛びのいた。蟻が発した赤い液がガジェットの残骸にかかり、残骸はドロドロの液体に変わっていく。 ノーヴェは目を見開いた。やっぱりガジェットを破壊し、調査員を皆殺しにしたのはこいつだったのだ。 「へっ……上等だ!」 ノーヴェは強酸を避けながら蟻に向けて怒鳴る。 「退がっていろ。こいつはアタシがやる」 ノーヴェがウェンディに告げる。そして、固有武装ジェットエッジを起動。 放たれる強酸を避けながら蟻に向かって真っ直ぐに突っ込んでいく。 相手の攻撃はワンパターンで、バカみたいに強酸を放つのみ。 ノーヴェはあっというまに懐に潜りこむ。蹴りの体勢を取りつつジェットエッジのブースターを点火。 「うぉらああああ!!」 絶叫と共に蹴り上げられた右足は爆発的な加速に助けられ、蟻の顎下へと吸いこまれていく。 勝負は一瞬でついた。 至近距離から戦闘機人の重い一撃をくらった蟻は、おびただしい量の体液を撒き散らしながら宙を舞う。 打撃の当たった瞬間で砕けた外骨格は、その形状を刃物のように鋭利なものとし、 衝撃によって体内を縦横無尽に駆け抜け、己が肉を引き裂き、突き抜け、その結果として花火のように中身をぶちまける。 そして、蟻は緩やかに弧を描きながら、地面に二度、三度、派手に叩きつけられた。 返り血で全身を赤黒く染めたノーヴェが蟻の前で足を止めた。 目の前には頭をつぶされ、この世への未練といわんばかりに足をばたつかせている蟻の残骸。 数秒後、蟻は数回、ピクンと痙攣すると、それっきり動かなくなった。 「……終わったか」 盛大に溜息をつき、ノーヴェはその場に座りこんだ。 「ノーヴェ! 怪我はないッスか!」 戦いを見守っていたウェンディが駆け寄ってくる。 「ああ、別にどうってことはねぇよ」 ノーヴェは無表情にウェンディを見上げた。 蟻の鮮血を頭からかぶっているが、全くの無傷。強酸はおろか、染み一つついていない。 「それにしてもなんなんだよこいつは」 ノーヴェが憤然として吐き捨てた。 「たしかに酸は強力だろうけど、攻撃はワンパターンだし、蹴り一発で吹っ飛ばせるほど脆いし、くそっ、いらん労力使わせやがって」 やがて、ノーヴェは立ち上がった。砂のついたお尻を軽く払う。 「ウェンディ、そろそろ帰るぞ……」 ほとんど独り言のように呟き、踵を返す。 「あ、うん。でもレリックはどうするッスか?」 「そんなもんまた後で探しにくりゃ良いだろ……アタシらだけじゃ危険だ」 蟻がこいつだけとは考えにくい。一匹だけならまだしも集団で襲いかかられたらさすがの自分でも危ないかもしれない。 だとしたら、この任務は二人だけでは荷が重い。ここは、一度アジトに戻ってもっと大勢で来た方がいい。 そう考えつつ、ノーヴェは来た道を戻ろうと……。 ――小さな噴出音 ノーヴェは、とっさに飛びのきこの奇襲をなんとか避けた。 しかし回避の際、わずかに跳ねた赤い液が左腕に付着。 「っあああああああああああッ!」 左腕に今まで感じたことのない激痛を感じ、悲鳴を上げてノーヴェはその場に倒れこむ。 ジュウッと肉の焼けるような音が上がり、抑えた手の間から白煙が立ち昇る。 「ノーヴェ! 大丈夫ッスか!? しっかりするッス!」 狂い悶えるノーヴェをウェンディが抱きかかえる。 抑えていた右手をどけて傷口を確認すると、スーツはおろか、肉が溶け落ち、あらわになった強化骨格が火花を上げている。 (しまった……油断しちまった…) ノーヴェは脂汗をかきつつ眼前の岩壁を見上げる。 張り付いていたのはもう一匹の巨大な黒蟻。 それだけではない。壁の間から、天井の大穴から、洞窟から、ありとあらゆる所から蟻が這い出し、二人に向かってくる。 その数、ざっと三十以上! (はは……なんだよこりゃぁ……) ノーヴェは自嘲ぎみな笑みを浮かべる。 その間にも蟻の数はどんどん増えている ノーヴェは自分の遅すぎる決断と甘い考えを心底後悔した。 黒色の悪魔は二人を包囲し、じりじりと輪を狭めていく。 ガンナックルを突き出し黒蟻を牽制する。 ウェンディも射撃体勢を取って蟻を睨みつける。 なんとか戦うことは出来そうだが、左腕は動かず、長時間の戦闘はできそうにない。 しかし、自分にはまだやるべきことが沢山あるのだ。こんなところで蟻の餌になるわけにはいかない。 もはや絶望的な状況にも決して諦めることなく、二人は固有武装を蟻の群れへと向ける。 「ウェンディ、ここから逃げるぞ。出来るか?」 「ちょっと厳しいけどやるしかないッスね。そっちこそ大丈夫ッスか?」 「なめんじゃねぇよ。こんくらいの傷どうってことねぇよ?」 「無理しないで……とは言えねぇッスね。さっさと逃げてみんなの所へ帰るッスよ」 「おう!」 蟻達が立ち止まり、一斉に腹を向ける。 赤い雨が降り注ぐ中、二人は腹の底から声を張り上げ、エネルギー弾を乱射しながら突撃していった。 ―― 彼が目を覚ましたのは闇の中だった。 ここはどこだろう。おかしい、自分は東京で『星舟』と戦っていたはずだ。 なのになぜこんなところに? たしかあのとき……。 彼はなぜここにいるのか思い出そうとしたが、まったく思い出せない。 まるで頭の中に深い霧がかかっているようだ。 周囲は相変わらずの暗闇だ。 彼は自身の失明を疑ったが、次第に目が闇になれ、周りの様子がわかってきた。 ここはどうやら洞窟の中のようだ。 ごく普通の鍾乳石が至るところに存在し、地下世界を飾っている。 彼は本部との交信を試みた。 しかし、通信装置は砂嵐のような音を繰り返すだけで、まったく繋がる気配はない。 ふと、彼の耳に銃声のような音が届いた。爆発音も聞こえてくる。 彼は肩で息をしながら、バイザーに映るレーダーで辺りを窺った。 レーダーに白と赤の光点が映っていた。白はEDFではない動体反応――要するに他の軍隊か民間人だ。 そして赤は奴等――敵の反応。赤はざっと三十ないし四十匹はいる。 『極めて小規模』の戦闘だ。そして、それらは徐々に近づいてくる。 彼はゆっくりと体を起こし、壊れかけのライサンダーZを支えに立ちあがろうとした。 途端に頭からつま先にかけて物凄い痛みが走った。 もはや生きているのが不思議なくらいだ。 それでも彼は立ちあがり、音がするほうへ視線を向ける。 苦戦しているようなら助けないといけない。こんな体でも援護射撃くらいはできるだろう。 奴等がこの『地球』にいる限り、どんなときでも戦いをやめない。それがEDFなのだから。 そして彼は歩き出した。傷だらけの体で、力強く、堂々と。 To be Continued. 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魔法忍者リリカル鴉 第二話「八神家」 はやての家に厄介になる事が決まった日から、俺の新しい、そして今までとは全く違う生活が始まった。 朝 日の出と共に起き出て服を着替え、空き部屋を使用して鍛練を行う。忍たるもの、肉体を常に鍛え、如何なる事態にも備えておく必要がある。 鍛練を終えた後はやての寝室へ向かい、寝ているはやてを起こすのが俺の日課だ。 「はやて起きろ。朝だぞ」 「う…うーん。あ~、おはよーさんや、ゴウ」 「ああ、おはよう」 その後ははやてを抱き抱え階段を降りていき、一階の車イスに乗せる。 いつも不思議に思うのは、抱き抱えた時にはやてが顔を赤くする事だ。 最初は熱かとも思ったがそうではないらしい。 はやてが「お姫様抱っこや…」と言っていたが、何の事なのだろう? 朝食ははやてと共にに作り、はやてと共に食べるのがこの家の決まりだ。 はやての作る料理は本当に美味く、俺は食卓に付く度に舌鼓を打つ。 一度はやてに、「将来はいい嫁さんになるな」と言ったら、また真っ赤になった。赤くなりやすいのだろうか? 昼 家事と昼食を終えた俺達は、ゆったりとした休憩時間を取る。はやては本を読んだり、俺はテレビを見たりだ。 この家に来てすぐの頃は、現代の文明というものに驚いてばかりだった。電灯に光が点ればギクリとし、水道から水が出れば目を点にしたものだ。 今見ているテレビも同様で、というよりこれには一番嫌な記憶がある。 (以下回想) 「はやて、あの四角いものは何だ?」 「あれ?あれはテレビや」 「何だそれは?」 「えーと、説明するより実践した方が早いわな」 はやてはテーブル上の黒い板を手に取り、テレビに向ける。 ピッ 『次のニュースです。本日未明…』 「うおおっ?!」 俺はその光景を見た瞬間、思いっきりのけ反った。 「ど、どうしたんゴウ!?」 「こんな小さな箱の中に人が入っている!一体どうなっているのだ!?」 俺はテレビとやらをあちこち触ったり叩いたりした。 「一体どんな術なのだ、はやて?おい、はや…て?」 振り返るとそこには、口元を手で押さえて俯き、肩を震わせているはやてがいた。どう見ても笑っている。 「…何故笑う、はやて?」 「だ、だって…ププッ…タイムスリップした人がやるお約束……な、生で見てもーた……うぷぷぷ…」 どうやらツボに入ったらしく、しばらくはやては笑っていた。 理由は分からなかったが、あの時は少し苛ついた。 (回想終了) 夕方 はやての足の具合を診てもらう為、二人で病院に向かう。 担当医の石田という女医には、俺ははやての従兄弟という事で通している。最初は怪しまれたが、はやての説明もあり今では普通に接されている。 尚俺には名字がないので、飛鳥 剛と偽名を名乗っている。 「……という事で、はやてちゃんの足に現在変化はありませんが、我々としても全力を尽くして治療に当たります」 「分かった。そちらの方は引き続き頼む。」 「あっ、待って」 ある日いつもの様にはやての容態を聞いた後部屋から出ようとすると、石田医師から呼び止められた。 「何だ?」 「飛鳥さん、今ははやてちゃんと一緒に住んでいるのよね?」 「そうだが、それが何か?」 「……はやてちゃんの事、いろいろとお願いね」 「?」 「はやてちゃんはとても強い娘だわ。まだ十歳に満たない子供とは思えないくらいにね」 「………」 「でもね、そんな強い娘だからこそ心配なの。甘えたい年頃なのに、両親がいないから自分から甘えを断ってしまう。 頼れる人がいないから、自分一人で全て頑張ろうとしてしまう。 優し過ぎるから、他人の分の重責まで背負おうとしてしまう。 …そんな事を続けてたら、あの娘いつか潰れちゃうわ。あの娘には、支えてあげる人が、守ってあげる人が必要なの」 ゴウは黙って石田の話を聞いている。 「だから、はやてちゃんの力になってあげて。はやてちゃんを守ってあげて。それが出来るのは、今はあなただけなの」 「…無論だ。言われなくとも、あいつは俺が守る。俺はあいつの家族だからな。それより治療の方はよろしく頼むぞ」 ゴウはぶっきらぼうに、しかし穏やかな口振りで言い、部屋を出ていった。 「……愛想のない人ね」 石田は苦笑を浮かべて、ゴウの背中を見送った。 夜 病院から帰って来た俺達はいつも同様分担して夕飯を作り、二人でそれを食して後片付けをする。ここまでは何の事はない。 だがこの後俺には毎晩一つの戦いが待っている。それは―― ワシャワシャワシャ…… 「どうだ、はやて?」 「うん。気持ちええよ。ゴウは洗うの上手いなー。」 そう風呂である。 はやてを一人で風呂に入れるのは時間がかかって風邪を引く恐れがあるし、何かあった時一人では危険な為、俺が一緒に入るようにしているのだ。 気恥ずかしい気がしないでもないが、はやてはまだ八歳だ。意識し過ぎるのも変だろう。 だが、真の問題はこの先にある。 「ほな今度はゴウの番やな。洗ったげるから背中向けてや」 「い、いやいい。俺は一人で出来る」 「そんな遠慮せんと。ほら、ゴシゴシッと♪」 「待てはやて!そこは違うだろ!?」 「えー?聞こえんな~?」 「よせ、ヤメロ!アッー!」 毎晩これだ、たまったものじゃない。 ……何?羨ましいだと? なら一遍やられてみろ。大事な物を汚された気分になるから…… 風呂から上がった後は軽くくつろぎ、そしてはやてを寝室へ運ぶ。 普段ならこれで一日の仕事は終わるのだが、今日は少し様子が違った。 「よっと。大丈夫か、はやて?」 「うん、平気や。いつも運んでくれてありがとな、ゴウ」 「気にするな、俺の勤めだ」 はやてをベッドに下ろし、いつものやりとりをする二人。 「それじゃあな。ゆっくり休め」 「あっ…」 「? どうしたんだ?」 ゴウが部屋を出ようとすると、はやてが急にゴウの服の裾を掴んだ。 「えーとその…な?もう一つだけ、お願いしてもええ?」 「何だ?言ってみろ」 「えっと……私が眠るまででええから、手…握っててくれへん?」 顔をほんのりと赤め、上目遣いで見てくるはやて。 「構わないが……急にどうした?」 「それがな、自分でも何やよう分からんのやけど……出ていくゴウの背中見てたら無性に寂しくなって――このままゴウがいなくなってまうような気がしてきて……」 「怖くなった、と」 コクンと頷くはやて。 ゴウは手近にあったイスを引っ張ってベッドの近くに寄せて座り、はやての頭をくしゃくしゃと撫でた。 「心配するな、俺はいなくなったりしない。ここは俺の家でもあるしな。だから安心して眠れ。お前が望むなら、俺はそれを叶えてやる」 「……おおきにな」 嬉しそうに微笑み、はやては礼を言った。 一連の流れの後、俺達は少しの間談笑していたが、話疲れたのかはやては直に寝息を立て始めた。 俺はゆっくりと抜けだそうとしたが、聞こえてきたはやての寝言を聞いて、それを諦めた。 「お父さん……お母さん……いやや、行かんといて…」 悪夢を見てるらしく、 はやての顔を見ると目許に涙が浮かんでいた。 俺が手を強く握ってやると、表情が少し和らいだようだった。 (はやてちゃんの力になってあげて。それが出来るのはあなただけなの・・・) 俺は昼間石田から言われた事を思い出す。 (俺の手は、もう拭い切れないほど血で染まっている……だがこの手でお前の苦しみを減らしてやれるなら――はやて、俺はお前の側に居続けよう……) 俺はそう決意し、一晩中はやての傍らで手を握り続けた。 夜が明けた後、目覚めて俺が隣で手を握り続けた事に気付き、はやてがまた真っ赤になったのは言うまでもない。 六月三日 午後二十三時五十分 間もなくはやての誕生日となる。 聞いた所によると、この時代では誕生日に贈り物をするのが風習らしい。 金の問題は持っていた小判を古物商に売って、何を買ったらいいかは石田に助言をしてもらって解決した。 あまりゴテゴテしたものははやては好かないと聞いたので、水晶で出来たイルカの首飾りを買った。喜んでくれればいいのだが…… ゴウがあれこれ考えている内に、もう時計の長針と短針が間もなく重なろうとしていた。 あと三、二、一… ドックンッ! (っ!? 何だ今のは!?) 日付が変わった瞬間、ゴウの全身を言い様のない感覚が走り抜けた。 例えるなら、強い波動のような、圧倒的な気迫のような、今まで感じた事のないものだった。 そして同時にはやての部屋から聞こえてくる物音と奇妙な気配。ゴウは迷わず棚の奥にしまってあった忍道具から苦無を取りだし、はやての部屋へと向かった。 (気配は五つ……はやてを除いても四つか…ただの賊なら一瞬で仕留められる) ゴウは足音一つ立てずはやての部屋の前まで移動し、扉の前で判断を下した。 ドガッ! 注意をはやてから自分に向ける為、扉を蹴り破るゴウ。 部屋の中を見渡すとはやてが寝ているベッドの横に黒い服を着た四人の男女が立っていた。 そしてその集団の中の一人、ピンクの髪をポニーテールに纏めた女がゴウの姿を認め、手にした刀に手を添えて言う。 「貴様、何者だ!」 ゴウも逆手に苦無を構えたまま言い返す。 「それはこちらのセリフだ。人の家に断りもなく入ってきておいて、どの口でほざく」 「人の家?ああ失礼した。お前は主の父、いや、兄か?」 「血縁関係はない。だが俺はそいつの家族だ。 そんな事より答えろ、貴様らこそ何者だ。どうやって入った。」 今でこそ戦いとは縁のない生活に身を置いてはいるが、ゴウとて一流の忍だ。誰か家に近付くものがあればすぐに気が付く。 だがこいつらは何の前触れもなく、いきなりその気配を発生させた。それがゴウにとっては不思議でしょうがなかった。 四人―さっきの刀を持った女と自身の身の丈ほどもある金槌を持った少女、手に指輪を嵌めた金髪の女、そして頭から犬耳を生やした男―は一度顔を見合わせ、互いに頷きあった後向き直って言った。 「驚かせてすまなかった。我々の名はヴォルケンリッター。此度、魔導書『闇の書』に選ばれた我らが主、八神はやて様にお仕えする為に存在する守護騎士だ。」 女は高らかにそう名乗った。 ゴウはこの時まだ気付いていなかった。彼女達の出現が、彼の運命を大きく変えるきっかけである事に。 そしてそのきっかけによって、自分が再び刃を手に、戦いの渦へと飛び込んでいく事に…… 続く 戻る 目次へ 次へ
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わがまま ◆Vj6e1anjAc そうか、これが死だったか。 ごふ、と口元から血を垂らしながら、最強の吸血鬼は認識する。 薄ぼんやりと遠ざかる意識の中で、自らの身体へと意識を向けた。 命が遠ざかっていく。 身体の中に抱え込んだ、やかましいほどの命の声が、次々と口を噤んでいく。 あれはかつての十字軍。あれはインドかどこかの兵士だったか。 今息絶えていったのは、南米のホテルを襲った兵士達。 ああ、ちょうど今消えていったのは、トバルカイン・アルハンブラとかいった、トランプ使いの伊達男か。 嫌になるほど味わってきた、五感の喪失感と共に。 長らくろくに味わってこなかった、第六感や意識そのものさえも、ゆっくりと喪失していく感触。 これが、死か。 これが死というものだったか。 かつてまだ人であった時、あれほどに怖れ拒絶した死。 かつて伯爵を名乗っていた時、胸に杭を突き立てられ、擬似的に味わったかりそめの死。 そして今、この身体に、今度こそ本当の死を感じている。 ああ、そうか。 こんなものが死だったのか。 こんなにも静かで穏やかなものを、かつての私は怖れていたのか。 諦めが人を殺す。 人間に死を与えるものは、絶対的な力でもなければ、圧倒的な悪意でもない。 力や悪意に立ち向かうのをやめ、諦め抵抗を捨てた時点で、ようやく人間の敗北は確定する。 だが、裏を返せば、諦めない限りは人間は無敵だ。 たとえみっともなく逃げおおせたとしても、たとえ恥を忍んで頭を下げたとしても。 生き延びてまた立ち向かおうとする限り、人の可能性は無限大だ。 化物達(フリークス)よりも遥かに弱く、遥かに短命であるからこそ。 限りある短い生命に、生きた証を残さんと、化物以上に懸命になれるからこそ。 人とはどこまでも愛おしく、果てしなく高潔で、何物にも代えがたい強さを持った生命たり得るのだ。 「チッ……結局、相討ちか……」 故に誇るがいい、紅の鉄騎よ。 小さくも雄々しき心を抱いた、誇り高き守護騎士(ヴォルケンリッター)よ。 お前は今まさに成し得たのだ。 人の尊厳とたくましさを、その身をもって証明したのだ。 力及ばず朽ち果てた、真紅の竜を操りし少年ですらも。 化物じみた力を持ちながら、しかしどこまでも人であった神父ですらも。 人であることに耐えかねて、化物へと化生した剣士ですらも、お前の領域までは至れなかった。 お前は今まさに私を倒した。 このあまりにも死ににくい化物の、夢の狭間を終わらせたのだ。 「アーカード……てめぇは……本当にこれで、死ぬんだよな……?」 どうか誇ってほしい。 自分は人間だったのだと。 その意志で化物を打ち倒し、人間の尊厳を証明したのだと。 それが何よりの弔いだ。 そうであれば、お前の踏み台になったこの私も、幾分かは報われるというものだ。 「ああ」 そう。 もう、これでおしまいだ。 本当に私はこれで死ぬ。 永らく渇望していた死を、今度こそ本当に迎えることができる。 改めて思い起こしてみれば、あまりに長すぎるものではあったが、それなりに楽しい人生だった。 何人もの狗や人間や化物が、私を殺さんと立ち向かってきた。 ギリギリの命のせめぎ合いが、その度に私の生涯に充足を与えてくれた。 もちろん、心残りがないわけではない。 主インテグラの最期の命令(ラスト・オーダー)を果たせず、中途で投げ出してしまったこと。 アンデルセンやセフィロスの仇を見つけ出し、この手で殺すことができなかったこと。 狂った少佐の率いる最後の大隊(Lazte Battalion)に、今度こそ引導を渡してやることができなかったこと。 だが残念ながら、それはもはやどうしようもないことだ。 それを叶える力も時間も、今の私には残されていない。 ないものねだりをしたところで、できないことはできないのだ。 私は人間に対峙された、哀れな化物なのだから。 「これで、本当に――――――」 ふと、視線を傾け空を仰ぐ。 ああ、今夜は満月だったのか。今更になって気がついた。 なるほど、こんな戦場には似つかわしくない、黒く澄み渡ったいい夜空だ。 二日も満月が続くというのに、妙な違和感を覚えはしたが、それは無粋というものだろう。 こんなに月が明るくて、こんなに星が眩いのだ。 本当に、いい夜だと思う。 静かで、美しくて、いい夜だ。 こんな夜なのだから。 「――――――さよならだ」 まぁ――死にたくもなるさ。 【アーカード@NANOSING 死亡確認】 ◆ めらめらと燃え盛る炎が、アーカードの死体を焦がしていく。 あの忌々しいくらいに死ににくかった化け物が、再生もへったくれもないままに、静かに灰へと変わっていく。 ああ、本当にやったんだ。 本当にこの手で、こいつを倒すことができたんだ。 人間、やればできるもんなんだな。まぁ、厳密にゃあたしは人間じゃねえんだけど。 《ヴィータ! おいヴィータ、しっかりしろよっ!》 頭の中で響くアギトの声が、今はぼんやりとしか聞こえない。 本格的にやばいんだな、これ。 もう、ほとんど意識が保ててねぇんだ。 無理もねぇだろうな。いくら闇の書のプログラムっつったって、基本的には人体の再現なんだ。 そりゃあこんだけの血を喪って、脊髄も筋肉もメタメタに潰されたら、生きてなんていられないだろうさ。 「悪ぃ、な……最後の最後で……ドジ、っちまった……」 これは嘘だ。 こんなのは、ドジでも何でもなかった。 どの道死因が変わるだけだ。ここまで痛めつけられた身体だったら、そのうち衰弱死してただろうさ。 それにアギトが気付けなかったのは、多分、初めてのユニゾンだったからなんだろう。 ま、それはそれでよかったかもしれねぇな。余計な気遣いや負い目を、あいつにさせねぇで済んだわけだから。 《畜生……なんで、なんでこうなっちまうんだよぉ……っ!》 なんだ、こいつ泣いてるのか。 あたしなんかが死にそうになってるのを、悲しいって思ってくれてるのか。 不謹慎かもしれねぇけど、なんかちょっと、嬉しいもんだな。 もう随分長いこと生きてきたけど、誰かに泣くほど心配されたのなんて、これが初めてかもしれねぇから。 人殺しだの辻斬りだのやってきた気味悪い兵器が、こうして誰かに人間として、死ぬのを悲しんでもらえてるんだから。 「……なぁ……はやて……」 嬉しいついでに、もう1つだけわがままを言わせてほしい。 声をかける相手は、あのいけ好かない偽はやてだ。 「ヴィヴィオ、って娘……なんだけどな……そいつ……助けて、やって、ほしいんだ…… あたしが……守る、って……助けてやるって……約束……した、から……」 本当は、あまり頼みたくなんてない。 あいつがいい奴かどうかはまだ分からないし、何より自分の引き受けた仕事を、他人に押しつけたくなんてない。 でも、そいつはもう無理な話だ。 あたしはこのままここで死ぬ。 ギルモンとの約束は、もう二度とあたしの手では果たせねぇ。 そのままあたしの命と一緒に、ヴィヴィオを助けるって約束も消えちまうよかは、誰かが引き受けてくれた方がよっぽどいい。 「……分かった。約束する」 ともあれ、これでもう用事は全部済んだ。 生きているうちに言っておきたいことは、これで全部言い終わった。 あとはゆっくりと、自分が死んでいくのを待つだけだ。 ああ……にしても、これでホントに終わりなんだな。 闇の書の主の守護騎士として、何百年も続けてきた戦いも、これで終わっちまうんだな。 何もかもが、必ずしも満足だったってわけじゃない。 まだまだはやてとしたいことはたくさんあった。 行きたい場所もたくさんあったし、食べたいものもたくさんあった。 そうでなくても、はやての足を、この手で治してやりたかった。 でも、ごめんな。 あたしはここまでみたいなんだ。 もうあたしは、はやてと一緒に生きられない。 大好きなはやての力になることも、足を治してやることもできない。 駄目な子だよな。ごめん、叱ってくれてもいい。 無理に欲張っちまったから、結局こんな道しか選べなかった。 身に余る結果を求めたから、自分を犠牲にすることしかできなかった。 でも、はやて。 許してくれるなら、せめて1つだけ言わせて。 あたしは確かに、何もかも全部満足したわけじゃない。 この世に未練はまだまだあったし、本当なら死にたくなんてなかったって思ってる。 でもさ。 はやてと一緒に生きてる間は、本当に楽しかったんだ。 戦うことだけしてきたあたし達が知らなかったことを、はやてはたくさん教えてくれた。 嬉しい時には笑うことも、笑えるくらい嬉しいことが、この世界にたくさんあることも。 あたし達ははやてに会えたから、人間みたいに生きることができたんだ。 あたしははやてに会えたから、人間みたいに死ぬことができたんだ。 だから、さ。 「……ありがとな……」 あたしはホントのホントに――――――幸せだったんだよ。 【ヴィータ@魔法少女リリカルなのはA s 死亡確認】 ◆ 「使えそうなものは、この首輪だけか」 感情の希薄なクールな声で、金居がぼそりと呟いている。 左手に握られているものは、あの吸血鬼の背中に背負われていた、すっかり炭化したデイパック。 ああまで焼けてしまったのだ。アグモンなる者の首輪以外は、残らず全滅してしまったらしい。 「そっちはどうだ?」 正宗を拾い上げながら、金居がはやてへと問いかける。 逆に彼女の左手には、ヴィータが投げ捨てたデイパックが握られていた。 「ああ……ちゃんとご褒美とやらが入っとったわ」 緩んだ鞄の口に突っ込んだ右手が、その中に入っていたものを取り出す。 禍々しい意匠の刻み込まれた、異様な風体の短剣だ。 魔獣の爪のような刃が、何故か3枚重なって生えている。 色々と探ってみると、何か仕掛けでもあったのだろうか、じゃきんと刃が広がった。 左右に展開された刃と、上を向いたままの刃。 三つ又の歪な切っ先のシルエットは、子供が遊ぶ風車を彷彿とさせる。 更に中を探ってみると、これと同じものがもう1つあった。どうやら2本1対の双剣だったらしい。 「……ヴィータのことは、残念だが」 ぴくり、と。 金居の口にした名前に、微かに肩が強張った。 「それでも、俺達に立ち止まっている時間はない。行くぞ。お前に調べてもらいたいことがある」 冷たく事務的に言い放つと、踵を返して歩いていく。 かつかつと遠ざかる靴音に、はやてもまた、屈んだ姿勢から立ち上がって続いた。 そうだ。 ヴィータは死んだ。 あのアーカードと刺し違えて、そのまま炎の中で死んでいった。 最期の瞬間、彼女は自分に、ヴィヴィオを助けてほしいと言った。 あの時は「はやてらしさ」を装うために、一応返事をしておいたが、さて、一体どうしたものだろうか。 一方アギトはデイパックの中で、しくしくと涙を流している。 一番近くにいたというのに、守ることができなかったのだ。確かに無念ではあるだろう。 それでも彼女は戦いの時、確かに啖呵を切ったのだ。 あのゼスト・グランガイツが望むのなら、自分も戦ってやる、と。 今はまだ泣かせておけばいい。役に立ってほしい時には、必ず役立ってくれるはずだ。 (それよりも……問題はヴィータやな) 半ば炭と化した死体へと、視線を向ける。 確かにアーカードを倒すことはできた。しかしそれと引き換えに、得難い駒を喪ってしまったのだ。 蓋を開けて見てみれば、大失態と言っていい結果である。 鉄槌の騎士が死亡したということは、これで異世界のヴォルケンリッターが、残らず全滅してしまったということになる。 あれほど便利で扱いやすい駒は、もう手に入ることはなくなってしまった。 これから先のプランにも、あるいは大幅に支障を来たすかもしれない。 (そう、それだけなんや) それだけのはずだ。 駒を失っただけなのだ。 戦略上困難になるだけで、さして感傷を覚えるには至らないはずだ。 それなのに。 (何で、こないな気分になる) この胸に込み上げる不快感は何だ。 この胸を締め付ける寂寥感は何だ。 一体自分はどうしたというのだ。 あんなもの、家族の皮を被った偽物が、勝手に戦って死んだだけではないか。 そもそも偽りのヴォルケンリッターの死など、シャマルを切り捨てた時に経験していたではないか。 あの時は屁でもなかったというのに、何故この期に及んで同情したがる。 今更いい子ちゃんぶろうとするな。情に左右されて目的を見失うな。 しっかりしろ。 らしくないぞ、八神はやて。 クアットロの言葉がそんなに堪えたのか。 ヴィータの姿にそんなに胸を打たれたのか。 感傷になんて浸ってどうする。こんなにも簡単に情けに流されてどうする。 ぺちぺち、と頬を両手で叩きながら、視線をヴィータの亡骸から背けた。 その姿から逃げるようにして。 その想いを封じるようにして。 元の毅然とした表情を作り直し、はやては金居の後に続いていった。 (そういえば、あの銃……) と、その時。 不意に違和感を覚え、立ち止まる。 (あんなもん……あいつの持ち物にあったか……?) 【1日目 夜】 【現在地:E-5 崩壊した市街地】 【八神はやて(StS)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】 【状態】疲労(中)、魔力消費(大)、肋骨数本骨折、内臓にダメージ(小)、複雑な感情、スマートブレイン社への興味 【装備】憑神刀(マハ)@.hack//Lightning、夜天の書@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 ジュエルシード@魔法少女リリカルなのは、ヘルメスドライブ(破損自己修復中で使用不可/核鉄状態)@なのは×錬金、 【道具】支給品一式×3、コルト・ガバメント(5/7)@魔法少女リリカルなのは 闇の王女、 トライアクセラー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~、S W M500(5/5)@ゲッターロボ昴、 デジヴァイスic@デジモン・ザ・リリカルS&F、アギト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 ゼストの槍@魔法少女リリカルなのはStrikerS、虚空ノ双牙@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえる 首輪(セフィロス)、デイパック(ヴィータ、セフィロス) 【思考】 基本:プレシアの持っている技術を手に入れる。 1.……ヴィータ…… 2.手に入れた駒は切り捨てるまでは二度と手放さない。 3.キング、クアットロの危険性を伝え彼等を排除する。自分が再会したならば確実に殺す。 4.以上の道のりを邪魔する者は排除する。 5.メールの返信をそろそろ確かめたいが…… 6.自分の世界のリインがいるなら彼女を探したい……が、正直この場にいない方が良い。 7.金居を警戒しつつ、一応彼について行く。 8.ヴィータの遺言に従い、ヴィヴィオを保護する? 9.金居はどこであの拳銃(=デザートイーグル)を手に入れたのか? 【備考】 ※プレシアの持つ技術が時間と平行世界に干渉できるものだと考えています。 ※ヴィータ達守護騎士に心の底から優しくするのは自分の本当の家族に対する裏切りだと思っています。 ※キングはプレシアから殺し合いを促進させる役割を与えられていると考えています(同時に携帯にも何かあると思っています)。 ※自分の知り合いの殆どは違う世界から呼び出されていると考えています。 ※放送でのアリサ復活は嘘だと判断しました(現状プレシアに蘇生させる力はないと考えています)。 ※エネルは海楼石を恐れていると思っています。 ※放送の御褒美に釣られて殺し合いに乗った参加者を説得するつもりは全くありません。 ※この殺し合いにはタイムリミットが存在し恐らく48時間程度だと考えています(もっと短い可能性も考えている)。 ※「皆の知る別の世界の八神はやてなら」を行動基準にするつもりです。 【アギト@魔法少女リリカルなのはStrikerS】の簡易状態表。 【思考】 基本:ゼストに恥じない行動を取る 1.畜生…… 2.はやて(StS)らと共に殺し合いを打開する 3.金居を警戒 【備考】 ※参加者が異なる時間軸や世界から来ている事を把握しています。 ※デイパックの中から観察していたのでヴィータと遭遇する前のセフィロスをある程度知っています。 【金居@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状況】健康、ゼロ(キング)への警戒 【装備】正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使 【道具】支給品一式、トランプ@なの魂、砂糖1kg×8、USBメモリ@オリジナル、イカリクラッシャー@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、 デザートイーグル@オリジナル(5/7)、首輪(アグモン、アーカード)、 アレックスのデイパック(支給品一式、Lとザフィーラのデイパック(道具①と②) 【道具①】支給品一式、首輪探知機(電源が切れたため使用不能)、ガムテープ@オリジナル、 ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、 レリック(刻印ナンバーⅥ、幻術魔法で花に偽装中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪(シグナム)、首輪の考察に関するメモ 【道具②】支給品一式、ランダム支給品(ザフィーラ:1~3)) 【思考】 基本:プレシアの殺害。 1.基本的に集団内に潜んで参加者を利用or攪乱する。強力な参加者には集団をぶつけて消耗を図る(状況次第では自らも戦う)。 2.利用できるものは利用して、邪魔者は排除する。 3.はやてと共に地上本部跡地へ向かい、転移魔法陣を調べる。 4.同行者の隙を見てUSBメモリの内容を確認する。 5.工場に向かい、首輪を解除する手がかりを探す振りをする。 【備考】 ※この戦いにおいてアンデットの死亡=封印だと考えています。 ※殺し合いが難航すればプレシアの介入があり、また首輪が解除できてもその後にプレシアとの戦いがあると考えています。 ※参加者が異なる世界・時間から来ている可能性に気付いています。 ※ジョーカーがインテグラと組んでいた場合、アーカードを止められる可能性があると考えています。 ※変身から最低50分は再変身できない程度に把握しています。 ※プレシアが思考を制限する能力を持っているかもしれないと考えています。 【全体の備考】 ※E-5にアーカードとヴィータの死体と、アーカードのデイパックが放置されています。 デイパックは焼け焦げており、中に入っていた支給品は、ボーナス支給品ごと全滅しました。 ※フィールド中では、何故か2晩連続で満月が出ているようです。 【デザートイーグル@オリジナル】 金居のデイパックに転送されたボーナス支給品。 現実に存在する銃で、50口径弾を発射することができる、世界最強の威力を持った拳銃。 ただしそれ故に相当な重量とサイズを有しており、反動も大きく、使い勝手は悪い。 【虚空ノ双牙@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえる】 ヴィータのデイパックに転送されたボーナス支給品。 謎の少年・カイトが用いていた双剣。 普段は禍々しい鉈のような形をしているが、戦闘時には刃を展開し、風車のような三つ又の形状に変形する。 Back BRAVE PHOENIX 時系列順で読む Next Lを継ぐ者/Sink 投下順で読む Next Lを継ぐ者/Sink ヴィータ GAME OVER アーカード GAME OVER 八神はやて(StS) Next Round ZERO ~GOD FURIOUS 金居 Next Round ZERO ~GOD FURIOUS
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登録日:2015/05/13 Wed 00 34 20 更新日:2024/05/24 Fri 12 29 11NEW! 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 2012年 2nd A's なの破産 アニメ アニメ映画 パワーアップリメイク リメイク リリカルなのは 劇場版 映画 涙腺崩壊 空中戦 良リメイク 魔法少女リリカルなのは 傷つく事は怖くない。あの笑顔を、失わずにすむのなら 『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's』は、2005年に放送されたTVアニメ『魔法少女リリカルなのはA s』のリメイク作品。 リリカルなのはシリーズの劇場版第2弾に当たり、第1弾である『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』の直接の続編となる。 2012年に全国の映画館で放映された。 制作:セブン・アークス 原作:脚本:都築真紀 監督:草川啓造 主題歌「BRIGHT STREAM」歌:水樹奈々 挿入歌「Sacred Force」歌: 水樹奈々 「Snow Rain 〜Ver.Holy Night〜」歌:植田佳奈 EDテーマ「微笑みのプルマージュ」歌:田村ゆかり 概要 前作と同様、リリカルなのはシリーズの第2期である、『魔法少女リリカルなのはA s』のリメイクとなる完全新作アニメであり、物語の大筋は同じ。 しかし、1stが物語の主軸を掘り下げた構成となっているのと違い、こちらは物語の中心人物の八神はやてや、 闇の書に関する設定の一部に大きく手が加えられているため、やっていることは表面上は同じでも、事件裏の事情はかなり異なっている。詳しくは後述。 戦闘の演出は1stと同等かそれ以上に向上。 ドッグファイト率はやや薄れたものの、空中でぶつかり合う接近戦闘が増量されており、前作よりも強大な存在が相手ということもあってより激しい戦闘が展開される。 メカニカルにリメイクされたなのは達の防護服やデバイス形状の変化・動作も見どころ。 テレビシリーズを視聴しているとニヤリとできるデザインもある。 翌年に行われたリリカル☆パーティVにて、完全新作となる本作の続編『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 3rd Reflection』の制作が発表された。 しばらくの間は映画の続報がない状態が続いたが、『ViVid Strike!』の放送に合わせて放映時期などの情報が公開される。 時系列は本作から3ヶ月後で、『なのはGOD』の設定も使った新しいストーリーが展開される。 なのは達の防護服のデザインも一新、オリジナルの敵キャラに加え、キリエが「機動外殻」なる兵器も持ち出してくるとのこと。 なお、これに合わせて1stともども4DX化して映画館で2週間限定で再上映された。 ストーリー(公式サイトより) 死を呼ぶ魔導書と、その主に選ばれた少女。 絶望の宿命に、立ち向かうのは二人の魔法少女。 誓いを秘めた騎士たちと、想いをこめて空をゆく少女たち。 想いは一つ「信じた絆を守りたい」 登場人物 リメイク元であるA'sから登場人物は変わらない。しかし、設定の変更に伴い登場しない人物もいる。 高町なのは CV:田村ゆかり ごくごく平凡な小学3年生だったが、前作の事件の後も平穏な生活を続けながら魔導師として修練を重ねている。 フェイトとの再会を喜ぶが、時を待たずに守護騎士による蒐集活動に巻き込まれてしまい、愛機レイジングハートを破損、自身も負傷する。 復帰後は時空管理局の嘱託魔導師として事件解決に協力することになる。 魔導師としての技術はさらに上がっており、一度はヴィータに敗れたものの、デバイスの性能差を縮めた後は互角以上に渡り合った。 闇の書の意志との決戦では幾度も圧倒され、追い詰められるものの、その小学生離れした不屈の精神で戦い抜いていく。 フェイト・テスタロッサ CV:水樹奈々 1stの事件の裁判を終え、友達となったなのはと会うために地球の海鳴に移住、なのはと同じ小学校に転校する。 襲撃されたなのはを助けに入るがシグナムによって返り討ちにされ、なのは同様に愛機バルディッシュを破損し、復帰後はなのはと共に事件解決に協力する。 シグナムとは戦闘を通して互いに好敵手として認め合う存在となった。 闇の書によって、自分が最も欲しかった幸せな時間を与えられるが、 姉アリシアの後押しによってその世界を後にし、『自分が今いるべき場所』へと帰る。 八神はやて CV:植田佳奈 下半身麻痺によって車椅子生活を送る少女。異世界の遺失物『闇の書』を所有している。 闇の書の守護騎士である4人を家族として扱い、平穏な生活を送っている。 守護騎士達の行動には小さな違和感は感じているものの気付いてはおらず、身体の麻痺は日々進行していく。 そして終盤にはそれ以上の苦しみを味わうことになってしまう。 今作では以後の作品を意識した変身シーンなどが挿入された。 シグナム CV:清水香里 闇の書の守護騎士ヴォルケンリッターの将。生真面目な武人肌の女性で、厳格さと優しさを持ち合わせている。 主であるはやてのことを深く敬愛しており、 はやての身体を蝕む麻痺が闇の書の影響だと知った時は、かつての誓いを破ってでも彼女を救うと決める。 長剣型アームドデバイス・レヴァンティンを用いたその剣技は卓越しており、 フェイトとの初戦では終始圧倒、デバイスを強化してきたフェイトを相手にしても一歩も引かなかった。 魔導師にしては良い剣技を持つフェイトのことを好敵手として気にかけており、互いに友情のような感情を持つに至った。 今作ではオリジナルシーンで、リインフォースとの会話が追加されている。 以前からネタにされていたファントムフェニックスもなんかまんまになってきた。 ヴィータ CV:真田アサミ ヴォルケンリッターの鉄槌の騎士。見た目は小学1年生程度の少女。容姿と同じく幼い性格をしている。 はやてを姉のように慕っており、彼女との平穏な生活を誰よりも強く切望している。 鉄槌の騎士の異名の通り、鉄槌型のグラーフアイゼンによる強力な打撃を得意といている他、鉄球を用いた誘導弾も扱う。 頭に血が上りやすい性格が戦闘スタイルにも表れているが、無意味に好戦的というわけではなく、戦闘は蒐集活動の手段と割り切っている。 シャマル CV:柚木涼香 ヴォルケンリッターの湖の騎士。おっとりとした性格の女性で、守護騎士の中では最年長(に見える)。 八神家の中では母親のような立場にあり、最もはやてのそばにいることが多い。 守護騎士の参謀を務め、戦闘では後衛からのバックアップを担当する。 ラストバトルでは超威力の直射砲シャマルビームでラスボスを一撃で消滅させる……場面を見た人がいるとかいないとか。 ザフィーラ CV:一条和矢 ヴォルケンリッターの盾の守護獣。人の言葉を話す大きな青毛の狼。 筋肉質な人間の姿にもなれる。狼形態が本来の姿だが、今作では人間形態でいることが多い。 守護騎士の中で唯一の男性。寡黙な性格をしているためあまり言葉は発しないが、戦闘での叫びは熱い。 盾の守護獣の名の通り、防御・結界系の魔法を得意としているが、今作では徒手空拳での格闘を披露することがほとんど。 拳でナハトヴァールの結界を数層ぶち破るシーンはかなり熱い。盾の守護獣とは 闇の書の意志 CV:小林沙苗 古代ベルカに存在した遺失物『闇の書』の中に存在する管制人格。 闇の書が完成しない間は本の状態のまま姿を表せず、言葉も発せられない。 人間の姿は銀髪の女性であり、はやてと守護騎士たちの幸福を第一に考える心優しい性格。 本の姿ではやてが幼少の頃から見守っていたが、はやてが交通事故で命の危機を前に闇の書の主として覚醒した。 今作ではナハトヴァールが変化した槍射砲と呼ばれる盾付きのパイルバンカーのようなロマン武装が追加されている。 TVシリーズ以上に騎士達が蒐集した様々な魔法を自在に扱うシーンが増え、なのはとフェイトの二人を同時に相手にしてもなお圧倒した。 終盤の出番も増えている。 ユーノ・スクライア CV:水橋かおり なのはの魔法の先生。 前作でなのはが魔法に関わる切っ掛けとなった人物だが、今回は最終決戦以外ではほぼ裏方担当とテレビシリーズの通り。TV版との違いはミッドチルダにいる機会が多くなのはとの絡みが少ないくらい。 無限書庫にある情報を高速で処理する姿はさすが未来の司書長といったところ。 最終決戦を見れば分かるが、彼の拘束魔法はとても頑丈である。 アルフ CV:桑谷夏子 フェイトの使い魔。狼形態は残念ながらほとんど登場せず、子犬フォームは可愛い。 初戦闘ではシャマルとザフィーラの二人を相手に敗北、蒐集される。 その後はザフィーラとの戦闘を担当。 クロノ・ハラオウン CV:高橋美佳子 艦船アースラ所属の執務官。 11年前に闇の書の暴走によって父親を失っており、当時の彼の姿はリンディの回想で語られた。 事件担当の執務官として武装局員と共に守護騎士の捜査を行う。 最終決戦ではなのは達と合流、父の遺品とも言えるデバイス「デュランダル」を使って事件解決に貢献した。 リンディ・ハラオウン CV:久川綾 艦船アースラの艦長を務める女性。 フェイトと地球で過ごすために休暇を取っていたが、 闇の書が事件に関わっていると知り休暇を返上してアースラの指揮を執る。 11年前の闇の書の暴走現場に居合わせており、目の前で夫と死別している。夫が残したデュランダルは彼女が保管していた。 オリジナルシーンとして、ほんの少しだが守護騎士と対峙するシーンもあり、彼女もまた魔導師であることを再確認させられる。 エイミィ・リミエッタ CV:松岡由貴 艦船アースラの通信主任。クロノと共に闇の書事件の担当として彼を補佐する。 今回はぶっちゃけ出番は少ないものの、リンディの回想にて、学生時代のクロノとエイミィの姿が一瞬見れる。 EDではクライドの墓参りの場にハラオウン家と一緒(クロノの隣)にいるなど、この世界でもエイミィ√で堅いようだ。 プレシア・テスタロッサ CV:五十嵐麗 フェイトの母親。前作での中心人物であり、現在は行方不明(実質死亡扱い)。 今作では闇の書がフェイトに見せた夢の中に登場する。 しかし性格は娘アリシアを亡くす前の、穏やかで優しい頃のものでありフェイトを驚かせた。 フェイトはかつてトラウマになるほど自分を虐げていた母親が何の違和感もなく娘と受け入れているという異常な状況にかなりの動揺を見せた。 アリシア・テスタロッサ CV:水樹奈々 フェイトの姉。正確にはクローン元であり、遺伝子上は同一人物と言える。 プレシアと同じく、闇の書が見せた夢の中に登場し、この夢の中では本物の姉妹である模様。 姉ではあるが容姿はフェイトより小さく、明るい性格・左利き・受け継がれなかった魔力資質など、フェイトとは正反対の人物。 この夢はフェイトの記憶を元に作られているため、このアリシアの人格もフェイトの記憶に眠るかつての自分(アリシア)が再現されたもの。 戸惑うフェイトに最初こそ夢の中に残るように諭すものの、フェイトの意志を聞き、姉として彼女が本当にいるべき場所へと送り出した。 リインフォースⅡ CV:ゆかな リインフォースの次代として作られた新たなユニゾンデバイス。 本作は、「事件の2年後、彼女の知る夜天の魔道書の物語」として位置づけられている。 本作では以後の作品準拠の声優が担当している。(TV版ではⅡも初代と同様の小林沙苗さんが担当していた) ナハトヴァールはゆかなさんが担当している。 テレビシリーズからの変更点 映画の尺に収める都合か、いくつかの設定に変更点があり、細かい変更箇所はあるが大きな点は以下。 闇の書の防衛プログラムの設定 ⇒ 防衛プログラムに『ナハトヴァール』という名称が付く。 仮面の男の暗躍 ⇒ グレアムが関与していないため仮面の男は登場せず、守護騎士のリンカーコアを奪うのはナハトヴァールの役目に。また、TV版と異なりリンカーコアを抜かれても守護騎士達は消滅しない。 デュランダルの出自 ⇒ TVアニメではグレアムが用意していたものだが、今作ではクライドが闇の書への対策として発注していたデバイスということに。そのため最初に持っているのもグレアムではなくリンディ。 闇の書の意志から防衛プログラムの分離⇛TVアニメではなのは単独のエクセリオンバスターで分離していたが、劇場版ではフェイトとなのはの協力技『ブラストカラミティ』(*1)に変更。これに伴いフェイトの脱出タイミングも変更されている。 八神家にて ⇒事件が一通り終わった後、ヴォルケンリッターがいないところではやてがなのはとフェイトの前で泣き崩れるシーンが追加された。(こちらも漫画版からの逆輸入シーン。) ラストシーン ⇒ TV版とは異なる次作に繋がるように変更。要はロリコン歓喜。 TVアニメ版では闇の書に因縁のある時空管理局の提督グレアムが闇の書を確実に封印するために事件の裏で暗躍していたが、 今作ではグレアムは行動を起こさない(そもそも因縁がない?)ため、デュランダルはグレアムではなくクロノの父クライドが用意していた。 闇の書への因縁はクロノとリンディが受け継ぐ形となったため、事件に仮面の男の介入はない。 防衛プログラムが闇の書の暴走の原因であることはTVアニメ版でも言われていたが、 今作ではナハトヴァールという名称が付いたことにともなって暴走の原因という要素が強調されている。 TVアニメ版ではグレアムの策略で強引に暴走状態へと導かれたが、今作ではナハトヴァールによる防衛行動が引き金となっている。 劇中劇 1stの項目でも言われていることだが、 本作はTVシリーズの中で制作され公開された劇中劇という設定が一部の媒体で明かされている。 劇場版公開前後のりりかる歳時記や一部の特典ドラマCD、アンソロジーが顕著であり、なのは監修の空戦機動が云々とか制作秘話的なエピソードもある。 しかし、上記した漫画やドラマCDの中にはメタな話題が出ていたり、 加えて本筋の物語の中で映画の話題が出たことはないため、本当に劇中劇であるのかは判別しにくいところ。 特典ドラマCDによれば劇場版設定の平行世界もちゃんと存在している。 ちなみに映画の構成が管理局に関するやや後ろめたい部分をカットしたようにも見える内容であるため、 一部の視聴者から「管理局によるプロパガンダ」とか言われることがあるが、 そんな設定は存在しないため注意。あくまでそれは一部の考察・妄想の類である。 余談 放映初日が土曜であり3連休だったことも重なってか、全国での興収は3日間で約1億5000万という成功を収める。 しかし、実はキャラクターグッズ等の物販の売り上げはそれを上回る約2億3000万を記録するという珍事が起きていた。 なのはシリーズのファンは以前よりコミケなどでグッツを買いすぎで財布が空になる、 「なの破産」「フェイ倒産」という俗語ができる程に熱心なファンが多いことで有名だったが、 間に1stを挟んでいたとはいえTVアニメ第3期以降やや下火に見えていたところに再びファンの底力を垣間見ることになった。 追記・修正は怖くない。あの項目を、失わずにすむのなら △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 最終決戦はやっぱりスパロボでした。あと闇の書の闇は名前付いたらメタルグレイモンじゃなくなりました。 -- 名無しさん (2015-05-13 00 43 40) はやての皆を返してって言葉に対してナハトヴァールが、じゃぁコアにして返すって言った時は人の話を聞けよ!ってつっこんだな -- 名無しさん (2015-05-13 00 46 46) コロナとリオとミウラに声が付いたのはこの映画のコミケ限定前売り券に付いてたドラマCDと本編BDのコメンタリーが初めてなんだよね。で次が現在やってるアニメ・・・間隔開きすぎじゃない? -- 名無しさん (2015-05-13 01 05 07) Snow Rainがこっちでも残ってて良かった -- 名無しさん (2015-05-13 01 57 27) ↑3まあ願いはかなえてるからな。ただ価値観というかどう返してという考え方が違ってただけで -- 名無しさん (2015-05-13 07 04 07) 前売り券ドラマCDの内容から管理局の広報映画(設定)なので、管理局がらみのスキャンダルを全力全壊で吹き飛ばした結果・・・とても良い映画になりました。 -- 名無しさん (2015-05-13 09 44 50) ↑え、それマジ? 管理局相変わらず真っ黒って印象が拭えないな -- 名無しさん (2015-05-13 10 28 23) ↑一応吹っ飛ばしたのはグレバム提督関連だけで残りはそのままだよ。本人達も子供連れて見に行ったり「まあ、あの時はもっと色々あったけど本局の資料に詳細出てるよ」と言ってるぐらいにはあっけらかんとしてる。 -- 名無しさん (2015-05-13 11 20 26) ↑過去の闇の書暴走時に戦艦ごとアルカンシェルで消滅させようとして失敗した辺りとかも、お父さん自己犠牲消滅になってたような・・・あと正直本局資料って市民には見れない気が・・・ -- 名無しさん (2015-05-13 11 47 39) ↑むぅ、TVの方見たの10年も前見てなかったからうっかりしてた・・・。 -- 名無しさん (2015-05-13 12 12 03) なの破産ってwww -- 名無しさん (2015-05-13 12 36 14) ↑残酷なのは戦争というのもあるよ。 -- 名無しさん (2015-05-13 23 31 07) そういえば、公開二日目に見に行ったら物販関係が完売状態でびっくりしたけど全国各地でそんな有様だったのね。 -- 名無しさん (2015-05-14 03 48 34) 映画の続報まだなんかね。……種みたいに立ち消えたって事は無いよね? -- 名無しさん (2016-07-02 10 53 37) Strikers…になるかは分からんが劇場版の続報来たな。題名以外の詳細は分からんけど -- 名無しさん (2016-10-02 20 53 17) innocnet継続勢としてはGOD組が話に絡んでくるのは楽しみ -- 名無しさん (2016-12-26 19 02 47) グレアム提督が省かれるのは必然だわな。 もしそのまま流してたら劇中劇で管理局の闇を世間にバラすことになるし。 -- 名無しさん (2017-06-10 15 03 46) これ管理局がやってるプロパガンダ映画って設定だから都合の悪いところなかったことにしてるって言われてたね -- 名無しさん (2020-03-15 09 39 58) >ちなみに映画の構成が管理局に関するやや後ろめたい部分をカットしたようにも見える内容であるため、 -- 名無しさん (2023-06-24 05 59 19) ↑後ろめたい部分(現地政府を通さずただ一人の少女を私怨のために生贄にしようとして殺そうとした)後ろめたいどころじゃなくて草 -- 名無しさん (2023-06-24 06 00 02) 名前 コメント
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ジリリリリリリリリ!! 警報のベルが鳴り響く。脱獄を伝える警報だ。 急ぎ看守や警官がその現場…浅倉のいる部屋へと向かった。 だが、そこに浅倉は見当たらない。代わりにいたのは紫の鎧と銀の仮面を着けた仮面ライダー『王蛇』だ。 「このイライラ…お前らで晴れるか…?」 『SWORDVENT』『ADVENT』 『今更何かを言おうとは思わん。今俺に出来るのは、お前に浅倉を倒せる力を与えることだけだ。』 そう言うと、神崎はカードデッキを取り出す。 須藤はすぐに、これが例のカードデッキだと理解した。 「何のつもりか知りませんが、これは頂いておきます。 この力で浅倉を、そしてその浅倉に力を与えたあなたを殺す。 今から覚悟しておくことですね」 『覚えておこう』 そう言うと、神崎は去っていった。 翌朝、八神家にて。 「ふぁ…おはよう」 「あ、おはよう真司君。今日は早いなぁ」 いつもの真司なら、もうしばらくは寝ていたはずだ。 真司がアパート暮らしの頃は、いつも慌てて準備していた音が聞こえていたものである。 「そりゃ二度寝しようとした時にボディプレス食らったら誰だって目が覚めるよ」 ヴィータの仕業だ。その場にいたヴィータ以外の全員がそう直感したという。 『…では続いてのニュースです。昨日未明、脱獄事件が発生しました』 「脱獄?何だよ、物騒な話だな」 (…こりゃ今日の仕事この件の取材になるかな?) 物騒だと発言するヴィータを尻目に味噌汁を口に含む真司。 『脱獄したのは、殺人容疑で逮捕・起訴されていた浅倉威容疑者、25歳です』 思い切り味噌汁を吹き出す。 真正面にいたシグナムに味噌汁が直撃したのは…多分気のせいではない。 目に味噌汁が直撃してのたうち回っている。 『浅倉容疑者の部屋へと行った警官隊は全員死亡、身体の一部が欠損した遺体も発見されています。 警察は浅倉容疑者の犯行と見て調べを進めています』 「マジかよ…」 呆然とする真司。復活したシグナムの発するオーラにも気付かずに。 「…城戸、話がある。家の裏に来い」 言うが早いか、真司の首根っこをつかんで家の裏へと行くシグナム。 それを見た全員が合掌していた。リィンに至っては十字を切っている。 その当の真司は、八神家全員が合掌していることから、話の内容を察知した。 そしてその十数秒後、家の裏から殴打の音と真司の悲鳴、謝罪の声が響いたという。 「「Amen(…です)」」「二人ともどこでそんなの覚えたん?」 第七話『夜の騎士』 「ってぇ…朝からひどい目にあった…」 朝からシグナムにボコられ、痛む顔を冷やしながら会社へと向かう真司。 キィィィン…キィィィン… 会社に行くのは後回しになるようだ。 「クソ、朝からモンスターかよ」 急いで気配の場所へと向かう真司。だが、それは無駄になる。 「ふん、大したことの無いモンスターだったな」 真司がその気配の場所に着く数秒前。一人の男が鏡から出てきた。 彼の名は秋山蓮。仮面ライダー『ナイト』である。 そして蓮が鏡から出てきた少し後、真司がその場所に着く。そして蓮を見て思わず名を呼んだ。 「お前…蓮?ナイトの秋山蓮か?」 「何だお前は?それに、なぜライダーのことを知っている?」 まあ当然の反応である。 それに対し真司は、蓮の説得を試みる。 「俺は城戸真司。蓮、戦いを止めろ」 「いきなりだな。お前にそんなことを言う資格があるのか?」 「それは…分かんないけど、でも、お前が戦っても無意味だし、恵理さんが喜ばないって事は分かるよ」 戦う理由を言い当てられ、驚く蓮。 彼の戦う理由、それは彼の契約モンスター『闇の翼ダークウイング』によって昏睡状態になった恋人、小川恵理を救うためだ。 「何者だ、お前…!なぜ恵理のことを知っている」 「それをこれから話すよ。戦っても無意味だって理由も」 そして真司は話した。ライダーバトルの真実を。 「…なるほどな。戦いは繰り返され、全ては神崎士郎の…いや、オーディンの手のひらの上か」 「ああ、そうだ。だから戦っても意味なんか無い。」 「だから戦いを止めろというわけか…断る」 そう言って立ち去ろうとする蓮。 「おい、待てよ蓮!意味無いって分かってて何で…」 真司の言葉を聞き、振り向いて答える。 「たとえ意味が無いとしても、恵理を救う道はそれしかない。 わずかでも可能性があるなら、俺はそれに賭ける」 そう言って今度こそ蓮は立ち去った。 残された真司はただ呆然としている。 ちなみに現在の時刻はAM9 30である。 「…うわ、やっべ!遅刻だ!」 時間に気付いて慌てた真司は、スクーターを思い切り飛ばして会社へと走っていった。 この後、例によって遅刻し、大久保のコブラツイストを食らう羽目になったことは言うまでもない。 その日の昼過ぎ。やはりその日の仕事は浅倉脱獄の件の取材であった。 真司は浅倉がいた拘置所へと取材に向かっていた。 「なんか俺…初めてジャーナリストらしい仕事してるかも」 そう考えているうちに、いつの間にか拘置所へと到着。 さっそく取っていたアポを利用し、浅倉脱獄時の唯一の生存者である看守に話を聞いた。 「…俺達が行った時には、浅倉はいなかった…いたのは紫の鎧みたいなのをつけた誰かと、紫色の巨大な蛇だ… そいつらが仲間を次々殺っていったんだ―――――!」 『紫の鎧をつけた誰か』『紫色の巨大な蛇』このキーワードを聞き、真司の頭にあるものが浮かんだ。 (浅倉…やっぱり今回もライダーになったのか) 『紫の鎧』は王蛇、『紫の蛇』は契約モンスター『ベノスネイカー』。真司の頭に浮かんだのはそれだ。 浅倉が王蛇に変身して看守たちを殺し、脱獄した。真司はそう結論付けた。 「あの時の事は思い出したくないし、覚えているのはこれだけだ…分かったら帰ってくれ」 真司はそのまま会社へと戻り、取材内容を報告しようとした。だが… キィィィン… 「嘘だろ?何でこんな時に―――」 急ぎスクーターを飛ばし、気配の発生源へと向かう。そして変身し、ミラーワールドへと飛び込んでいった。 「何だ、お前も来たのか」 龍騎が来た時には、既にナイトが戦っていた。相手はかつて倒したはずのモンスター、ディスパイダー… いや、半獣半人になっていることから見ると、再生体のディスパイダー・リ・ボーンになったのだろう。 「邪魔だけはするなよ」 ナイトはそう言うと、ウイングランサーを手にディスパイダーへと向かっていった。 だがそう簡単に接近は許さない。胸部から麻痺針を飛ばし、接近を阻む。 その麻痺針をウイングランサーで落とすナイト。いつの間にかドラグセイバーを持って龍騎も突っ込んでいる。 麻痺針攻撃が激しくなり、落とすのに忙しくて動けない龍騎。と、そこであることに気付いた。 「…あれ?蓮の奴どこ行ったんだ?」 いつの間にかナイトがいない。どこに行った? そう思っているうちにディスパイダーへの上空からの一撃が決まる。 ダークウイングをマント形態にして纏い、上空へと飛んで急降下攻撃を仕掛けたのだ。 同じ頃、シグナムもまたミラーワールドへと飛び込んでいた。もっとも、別のモンスターを退治しにだが 「ここがミラーワールドか…なるほど、確かに『鏡』だ」 辺りを見回すと、鏡のように反転した建物の中にモンスターがいる。猿型のモンスター・デッドリマーだ。 シグナムに気付いたデッドリマーは銃を向け、発砲する。 だが、今更銃弾程度ではシグナムは止まらない。たやすく見切り、接近した。 殺られる。そう判断したデッドリマーはすぐに逃げ出した。身軽な分、動きも早い。 それでもシグナムの方が若干速く、少しずつ差が縮まってゆく。 そして追いつき、レヴァンティンで斬りつけて動きを封じた。 そして、二つの戦いは同時に決着がつく。 『『FINALVENT』』 龍騎・ナイトの二人が同時にファイナルベントのカードを装填する。 その瞬間、ドラグレッダーとダークウイングが飛来し、両ライダーとともに飛んだ。 「おりゃあぁぁぁ!!」 龍騎はそのまま空中で反転し、ドラグレッダーの炎と共に足から飛び込む。 これが龍騎最大の必殺技『ドラゴンライダーキック』である。 一方ナイトはウイングランサーを軸にし、ダークウイングをドリルのように纏って急降下した。 ナイトの持つ最大の必殺技『飛翔斬』である。 この技を同時に受けて生きていられるほどディスパイダーは強くは無い。そのまま貫かれ、砕け散った。 「レヴァンティン、カートリッジロード」 『Jawohl.(了解)』 カートリッジをロードし、レヴァンティンを構える。そして必殺の一撃が繰り出された。 「紫電…一閃!」 炎の魔力を宿し、そのまま超高速で近づいて両断。 これがシグナムの持つ決め技の一つ『紫電一閃』である。 デッドリマーは危険を察知し、逃げようとしている。だが、足を斬られているためにそれは叶わない。 そして、そのまま真っ二つにされ、爆散した。 「…あれ?あそこにいるのは…シグナムさん?」 「その声…城戸か?」 双方の爆発で互いの存在に気付く龍騎とシグナム。どうやら互いに近い場所で戦っていたようだ。 「知り合いか?」 ナイトが聞く。だが、その答えが返ってくる事は無かった。なぜなら… 『HOLDVENT』 突如、ヨーヨーらしき攻撃が飛んできたからだ。 ホールドベントという声に気付き、すぐにかわす3人。飛んできた方向を見ると、ライダーがいた。 「あいつ…仮面ライダーガイの芝浦淳か!」 そのライダーは芝浦淳。仮面ライダー『ガイ』である。 だが、龍騎の記憶ではガイはヨーヨーを使ったことは無いはず。 そう思っていると、もう一人のライダーが現れた。 「何だ、あいつ…見たことも無いライダーだ…」 そのライダーは全身が緑色で、頭には大きな目のような何かが付いている。 見た目だけならカメレオンを連想しそうな姿だ。 「へー、神崎士郎が言ってた通り、他のライダーの事も色々知ってるみたいだね」 ガイが緑色のライダーと話す。どうやらこの二人は手を組んでいるようだ。 「でもアンタの事は知らないみたいだよ。ベルデの高見沢さん?」 次回予告 「あっそ、じゃあ死んでよ」 『STRIKEVENT』 「…偶然って怖いな」 「私は…生きているの?」 仮面ライダーリリカル龍騎 第八話『激闘』 戻る 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルなのはForceNEXT Design02 「リリカルなのは」の新しいカタチ。原作者・都築真紀×メカデザイナー・黒銀による衝撃の新連載、第2弾! スバル・ナカジマ×マッハキャリバーAX CW-AECX07X Sword Breaker CW-AECX07X Sword Breaker スバル・ナカジマ防災士長は、足に装備するインテリジェントデバイス「マッハキャリバー」と、 右手に装備するカートリッジユニット装備の武装「リボルバーナックル」の2つのデバイスを扱う、 比較的正統派のツインデバイス使用者だが、今回はそれに加えてもう一機、 試験機体のAEC装備「Sword Breaker」が支給されている。 左手に装着する武装で、詳しい機能は明かされていないが、 「格闘戦技使用者向けの防衛装備」であるということのみが発表されている。 マッハキャリバーAX 港湾特別救助隊に所属するスバル・ナカジマ防災士長(21)の愛機、 ローラーブーツ型のインテリジェントデバイス「マッハキャリバー」。 前所属である遺失物管理部機動六課時代に支給された専用機であり、 ナカジマ防災士長(※当時は二等陸士)が使用する移動支援魔法「ウイングロード」と格闘戦技「シューティングアーツ」を最大に生かすために開発された機体である。 そして、開発から6年あまりの期間を経て、大幅な改良を行ったのが本機である。 改良はマッハキャリバーの制作者のひとりでもあるシャリオ・フィニーノが担当。 過酷な災害現場での活動に合わせたフレーム強化と、さらなる高速機動に対応する足回りの設計見直しのほか、 「特殊な体質」を持つナカジマ防災士長(21)に合わせて再チューンされた出力方式は、 「魔力結合不可能状況下での駆動率減少0.4%以内」という、脅威のスペックを持つに至った。 これによって、いかなる状況下であっても「救いを求める誰かの元に駆けつけられる」とはナカジマ防災士長(21)の談。 なお、外観や装備の変化はあるものの、マッハキャリバー自身のAI人格は六課当時から変わらず、 公私ともにナカジマ防災士長(21)のよき「相棒」として彼女を支えている。 マッハキャリバーAX CW-AECX07X Sword Breaker設定画 マッハキャリバーII パーツ構成 フロントカウル ホイールモーター ブースター ※ホイールは前後2個連結のユニットが靴底の前に一つ、後ろに一つ、計4輪。ホイールは4個が直線に並ぶ。 ユニットは靴中央側の端でシャフトで靴底と接続。 ホイール ある程度回ります※ホイールユニットは靴部分との接続軸を中心に上下にある程度可動する。 基本的なパーツ構成はあまり変えず、全体のシルエット・ラインをスポーティな感じに変えてみました。 ホイールはアニメ版より薄くなってます 鋭い感じに